2011年03月18日

株式会社の解散と清算1

あなたのご訪問に感謝です!
お客様への説明資料を作成していた
滋賀県大津市で行政書士をしてる中島です。

こんな時になんですが、株式会社の解散等について
先週ご相談があり、その説明の資料を作ってました。


会社を閉めるには、基本的に、
(1)解散
(2)清算
(3)清算の結了
という大きく3つの段階が必要です。

3つの段階と書きましたが、「解散」した株式会社は、
直ちに法人格がなくなって消滅するわけではありません。

解散した会社は、「清算」という、いろんな処理や
手続きの必要があります。(法475条)

そしてその「解散した会社」は、その目的の範囲内で
存続することになります。(法476条)

清算が終了し「清算の結了」という登記をすると、
解散した会社の法人格が消滅します。

ちなみに清算手続き中の会社を「清算株式会社」といい、
一定の場合を除き、株式会社は「清算人」により
清算をしないといけません。(法475条)

会社が解散すると、取締役・代表取締役はなくなります。

そのかわり、清算業務を行うための機関として、
清算人、清算人会、監査役、監査役会を置くことができます。

ただし、必ず必要な機関は、株主総会と清算人で、
どの機関を設置するかは、一定の制限はあるものの、
定款により定めることができます。

以上のような前提を踏まえて、3つに分けてご説明します。

今日は解散の登記までのフローを。

(会社法=法、商業登記法=商登、会社法施行規則=施規)

(1)解散
以下の事由によって解散します。(法471条)

 1.定款で定めた存続期間の満了
 2.定款で定めた解散の事由の発生
 3.株主総会の決議
 4.合併(合併により当該株式会社が消滅する場合)
 5.破産手続開始の決定
 6.解散を命ずる裁判(解散命令、解散判決)

 7.休眠会社のみなし解散(法472条)
   ※休眠会社
   その株式会社に関する登記が最後にあった日から
   12年を経過した会社を休眠会社といいます。
   休眠会社については,一定の手続きを経ることにより
   解散したものとみなされます。

 8.その他の法令の規定による解散


と、いろいろ解散事由がある中で、今回は、
一般的な「3.株主総会の決議」による解散について。


株主総会の決議による解散

まず、解散のための株主総会の招集をして、株主総会を開きます。

解散のための「株主総会の決議」は、
通常の決議ではなく、特別決議になります。

株主総会の招集(法299条・300条、定款の定め)
 ・議決権を行使することができる株主に招集通知
 ・全員の同意があるときは、招集手続の省略可

株主総会の特別決議(法309条2項11号、定款の定め)
 ・議決権を行使することができる株主の議決権の過半数(3分の1以上)を有する株主が出席
 ・出席した当該株主の議決権の3分の2以上


この特別決議で、解散の決定、清算人の選任を行ないます。

解散の決定(法471条)
 ・解散日が新しい事業年度末となる
 ・解散日を月末に(明示がなければ決議の議決日)

清算人の選任(法478条)
 以下に掲げる者が清算人になります。
 ・定款で定める者
 ・株主総会の普通決議で選任された者
 ・これらの者がいない場合、従来の取締役(法定清算人)

代表清算人(法483条)
 (ア).清算人会がない場合
 ・清算人の中から代表清算人を定めない場合、清算人は各自が代表(法483条1項)
 ・法定清算人の場合、従前の代表取締役が代表清算人
 ・その他次の方法のいずれか会349条3項)  
  a.定款に直接氏名を記載する方法  
  b.株主総会の普通決議による選任方法
  c.定款の定めに基づいて、清算人が互選での方法

 (イ)清算人会を置く場合 
 ・法定清算人の場合、従前の代表取締役が代表清算人
 ・それ以外の場合、清算人の中から選定


この解散のための株主総会が解散日になり、
解散の日から2週間以内に登記申請しないといけません。
(法926条・928条)

登記の前後には、債権者保護手続きとして債権者に対する公告等を
「解散後遅滞なく」行なわなければなりません。
(法499条)

この公告は、解散した旨と、異議がある債権者には
2ヶ月以内に申し出る旨を知らせる手続きです。

官報への解散公告(1回)

官報へ公告(法499条)
 ・公告期間は2ヶ月以上の期間を設ける
 ・1行2,854円(標準は22字詰×10~12行=32,000円前後)
  公告申込みはコチラ

知れている債権者への各別の申し出の催告



解散及び清算人選任の登記

必要書類(商登71条・ 73条)
 ・解散・・・株主総会(特別決議)議事録
 ・清算人の選任
  a.取締役がなった場合・・・定款
  b.定款で定められた者・・・定款、就任承諾書
  c.株主総会の決議で定められた者・・・定款、株主総会議事録、就任承諾書

 ・代表清算人の選任
  a.代表取締役がなった場合・・・なし
  b.定款で定められた者・・・定款,就任承諾書
  c.定款の定めに基づく清算人の互選で定められた者・・・
   定款、清算人の過半数の一致があったことを証する書面、就任承諾書
  d.株主総会の決議で定められた者・・・株主総会議事録

 ・印鑑届書(代表清算人)
   印鑑提出者の資格が変更(代表取締役→代表清算人)
   印鑑証明書の添付

登録免許税
 ・解散登記=3万円、清算人登記=9千円
 ・同時申請のため、合計3万9千円


と、オーソドックスなパターンを書きました。

次回は、清算について書きたいと思います。


今日も読んで頂きありがとうござます!!



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